「休みの日ってなにしてるんですか?」
「趣味ってなんですか?」
そんな事をたまに尋ねられるのだが、昔から趣味と言えるようなものもなく、お寺に住する私のとって一般的な休日と言われる日もないので、答えに窮する。
長年続けているような「趣味」と言えるものを考えてみるが浮かばない。体を動かすことは好きだが、続けているスポーツも無く、過去ハマったものと考える。ジグソーパズル、プラモデル作り、車いじり、フィギア収集、テレビゲーム…結構あり、かなり入れ込み、短期間でそれなりにやっていた気がする。ジグソーパズルは何千ピースのものを徹夜で一日で作り上げたり、プラモデル作りも塗装する時にホコリが付かないように部屋に閉じこもり作り上げて飾っていた… が飽き性なのか長くて3年。自分で極めたと思うと終了。作ったものや集めたものは捨ててしまった。また一度止めたものは時間が経っても興味が沸くこともなく、結果、趣味と言えるものは10年以上やっていない。
「仕事が趣味なんですね~」答えに窮する私に気を使って檀家さんが言葉をかけてくれる。
ふと思い出した。息子が私に向かって「父ちゃんの趣味は読書でしょ!!」
そう言われれば、読書だけは続けていて、買ってまだ読んでない本もあるのだが、本棚に収まらない本がかなりある。読書をする時間を設けるのではなく、多くは寝る前の1、2時間の読書。「真面目だね」と思われるかも知れないが、難しい仏教書などを読んでいるのではなく、その時にたまたま興味の沸いた書籍を読むのでジャンルはかなり広い。
読んでも全く理解できないのに、面白くてむさぼるように読んだ書籍もある。
宇宙、地球の誕生や、生物などの進化の歴史に関する著書は、わからない言葉だらけで、未だ理解していないのだが本当に面白い。たまたま地球と言う星が誕生した事、そこの水が生まれ、いのちが誕生し、進化の中で人間と言う生物になった事は、科学的にある程度の説明ができるようになってはいるが、確率で言えば途方もない確率で、科学者であっても「何かの意思が働いたとしか考えられない」と言うほど不思議だと言う。宇宙へ行くと人生観が変わると言われるのもそんな理由なのだろうか。
子どもの頃、もっとその不思議さに気づいていたら、今頃は科学者になっていたかもしれない… が、飽き性の私の趣味が生業になる事はなかったのだろう。
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