故郷

先週、俳優の田中邦衛さんの訃報が報じられた。任侠映画などでも活躍され、映画やテレビドラマでも個性豊かな演技で何かの一場面が印象に残っていると言う方も多いと思う。

田中邦衛さんを思い浮かべたとき、まっ先に思い浮かぶのが「北の国から」の五郎さん役。

私が幼少の頃から連続ドラマで放映されていたので、ずっと見ていたように思う。またドラマの舞台が祖父母、父の故郷であった富良野麓郷と言うこともあって親近感を感じていた。

テレビを見ながら「父親はこんな何もないところで幼少を過ごしてきたのか…」と思い、当時の事を何気なく聞いたら「こんなのはまだまだましだ…」「こんなきれい事じゃない」と言ったことを覚えている。日常生活の事か自然環境の事か…何に比べ、何がまし、きれい事が何を指すか今となってはわからない。

ただその時に故郷を懐かしむような感じではなかった記憶がある。

が晩年、麓郷を懐かしみ、愛しく感じていたのか、「麓郷にいたときは」「麓郷の門徒さんは」「麓郷では」と幼少時代を過ごした故郷の話を頻繁にしていた。

祖父が札幌に出てくるのを決めて家族としてついてきた父親なのだが、晩年まで「故郷を捨てて札幌に出てきた…」と何か後ろめたいような感情を持っていたのかも知れない。「まだまだましだ」「きれい事じゃない」は、自分は札幌に出てきたけれど、当時の生活されていた周りの方々の厳しさをドラマと比べ言っていたのだろうか。