腑に落ちない検証

東日本大震災から10年で、改めて様々な検証がなされ発表されている。

復興復旧工事、人的支援、離散されたコミュニティ、原発事故…未曾有の災害に対して、検証と記録無しには同じ過ちを繰り返すだけになってしまう。

震災当時、原発事故への対応をしていた国会議員の細野豪志(現自民党)氏が10年を経て、当時の状況を書き記した著者を出版するにあたり、インタビューを受けている報道を見て、納得がいかずにいる。

それは、原発事故での子供への健康被害について、被爆の健康被害は無いと言い切った事。

原発事故以降、福島県における健康調査で、小児甲状腺癌を発症し、治療した子供は200人以上いると言う。しかし、この人数は過剰診断により見つかったもので、中には治療しなくてもよかった子供たちもいると言い切り、もし自分の子供だったら検査も治療もさせないと言う言葉に驚愕した。

UNRCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)が、今年の3月10日、「甲状腺癌は被曝問題と考えにくい」「甲状腺癌の発生率の増加は過剰診断が原因の可能性」「子供の甲状腺癌は生存率が高い」(一部抜粋訳)と報告が発表された。だが、どうしても腑に落ちない。

全国の子供たちの甲状腺検査をしたら、どれだけ甲状腺癌が見つかるのだろうか…子供の発生率は極めて少ない甲状腺癌。過剰診断と言われているが、治療を要する甲状腺異常が見つかっている。


本当に我が子に甲状腺癌が見つかり、治療を進められても何もしないと言えるのだろうか。

細野氏は伴侶が甲状腺癌であったことから病気については理解していると言うことを話していたが、大人と子供では身体への影響が違う。

氏は10年を経た検証結果で、放射能による健康被害について「何の問題もなかった」としたいのだろうか。

コロナ、オリンピックでうやむやにされていかないよう注視するしかない。