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大いなる勘違いのネコ騒動

  • daijyouji8312500
  • 2020年12月23日
  • 読了時間: 2分

坊守が1週間ほど前から地下駐車場で子猫の鳴き声が聞こえると言っていた。

「鳴いてなかった?」と毎日のように聞かれたが私には聞こえない。

聞こえない事を不審がられたが、幾度となく地下駐車場で車の乗り降りをしていてもネコの鳴き声、気配すら感じない。

気のせいか、空耳だろうと思っていたある時、かすかに「ミャーミャー」と地下駐車場の窪んだ奥の方から聞こえた。

年中ネコの1匹や2匹、うろうろしているので気に留めることなくいたが、坊守は「おなかすいて鳴いてるんじゃないか」「どっかにはまって出られなくなったんじゃないか」と言って、遠回しに私に対してネコの捜索をするように言ってくる。自分ですればと思ったが、坊守はネコアレルギーで躊躇していたので、仕方なくネコ捜索をはじめた。

懐中電灯を持ち、厚手の手袋をはめ出陣。

鳴き声が聞こえた地下駐車場の奥の暗闇の窪みを照らし探してみるが、いた様子も無く鳴き声も聞こえない。

親ネコと、どこかに行ってしまったかと安心していたら「ミャー」とかすかに聞こえた。もしかして、どこかに入り込んでしまったのか…と再度隅々まで探すがネコの姿は無い。

チュチュチュチュと舌を鳴らし、ネコの鳴き真似をすると「ミャー」とかすかに聞こえるが、気配は全く無い。

何度か同じ事を繰り返して、息を殺して鳴き声が聞こえる場所を突き止めた。

チュチュチュチュ…「ミャー」と聞こえたのは配管の中。

ネコの鳴き声は、配管の中の流入物が何かの拍子で擦れて出る音だった…。

不思議なほどタイミングよく、ネコの鳴き声のように配管から音が出ていたのだった。大いなる思い込みの勘違いで聞き間違い。

わかってしまえば笑い話だが、坊守は私が捜すことをしなかったら、動物レスキューのような所に連絡しようとしていたらしい。捜した日の朝に、ネコの餌を買いに行きどこで飼うかも考えていたと言っていた。

ありのままに見ることができない私たち。自分勝手な思い込みは時に大きな間違い、勘違いを起こし、自らの行動もおかしな方に進んで行く。

今の社会状況も似たようなものだと自戒を込めて感じる。感染症の恐怖と不安による思い込みで見失っていること、間違い勘違いを自覚無く起こしていないだろうか。


もしネコの鳴き声が聞こえると言う、思い込みのまま勘違い間違いを自覚せずに突き進んでいたら、配管を切断し取り返しつかない事態を招いていただろう。


 
 
 

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