病気で入院だったり、子供の所に引っ越しだったり、施設への入居だったりと様々な理由がある。
今日はあるご門徒さんの施設への入居に伴う、自宅での最後のお参りをさせて頂いた。
施設に入居すると、今は中々外出も難しくなる。自宅や仏壇はそのままお子さんが引き継ぐが、そのご門徒さんにとっては、自宅でのお参りは最後になるとの覚悟から改めて頼まれたご縁だった。
お勤め前に「施設に入ったらたぶん出てこれないので、住職さんと会えるのこれが最後になります…このお仏壇でお参りするのも最後になります…」お勤め前に言われた言葉に胸がいっぱいになった。
正信偈を勤めはじめると、後ろから涙声の正信偈が聞こえる。涙声だけれども、声を絶やさず一緒に最後までお勤めさせて頂いた。
終わってから言われた言葉にハッとし、また胸がいっぱいになった。
「今日は自分のお通夜と思ってお参りさせてもらいました。むこうに(浄土)行けるとなったら、すぐ迷うことなく往きますね…」
「自分のお通夜」と言う一言に、寂しく感じながらも、今と言う瞬間がどれほど尊いものなのかを教え伝えて下さった言葉だった。
このご縁が最後…
「またお浄土で会いましょうね!」帰り際にそう言って笑顔で見送ってくれた。
今生で顔を合わせるのは本当に最後になってしまうかもしれない。でも「お浄土で会いましょうね!」の一言に寂しくも温かな風を感じながら帰ってきた。
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